3月10日(水)

読んだ本
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (1977年) (ハヤカワ文庫―SF)アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (1977年) (ハヤカワ文庫―SF)
(1977/03)
フィリップ・K.ディック
おもしろい。人間とアンドロイドとの境界は、有機体か機械かで引かれるのではなく、人間性とアンドロイド性の元に引かれる、というような発想が奇抜である。その差異は親切さが尺度となって規定されるようだ。エンパシーボックス(共感能力)/マーサー教や感情移入能力の検査などがその差異を象徴するものだが、それを理由として何故平気で(ないときもあるが)アンディーを抹殺できるのかを疑問に思ってしまう。それはアンディーと人間との差異が紙一重であるのに対して、アンディーと機械との差が絶大であることに理由の一つがあるような気がする。模造動物に愛情を注ぎアンディー(裏切り者)にたいして情け容赦ないのはどうなんだ。人間を裏切ってないアンディーも奴隷同然ではある。感情移入能力がなくとも感情があるとしたら、人間は共感能力云々の前に既に残酷な行為を犯してしまっているのではないか。なぜアンドロイドをただの機械か何かとして造ろうとしなかったのか。FSSのアトロポスか誰かの言葉を思い出す。但しこれらに関して作者の意図を完全に汲み取り損なっているという確信がある。
読み進めていく毎に「次はこうなるかなー」とかいう予想が毎回外れる。リックのこと、フィル・レッシュのこと、レイチェル・ローゼンのくだり等。自分でも苦笑。
そのあと以前に録画してた『ブレードランナー ファイナルカット』を観る。凄い映像描写だ。


決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
(1993/02)
アーサー・C. クラーク
蝶おもしろい。すごい。天才。文章の記述から、その光景を十分にアタマに思い描くだけの知識とスケール感が自己に備わっていないのが不幸だ。

| 本・漫画 | CM 0│ 2010. 03. 10(Wed) 10: 33 |

3月11日(木)

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))
(1979/05)
ロバート・A・ハインライン
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猫好きってわけじゃあないが読んでしまった。序盤の主人公が受ける仕打ちに憤り、後半からの畳み掛けるような展開に胸がスカッとする。コールドスリープ(冷凍睡眠)と時間跳躍を組み合わせたSF冒険活劇。ドンパチはないが、猫がドンパチしてくれる。フォーエバー・ヤングとか絶対これの影響下にあるよね。
主人公のタフネス溢れる生き様は、読んでいてものすごく憧れる。

| 本・漫画 | CM 0│ 2010. 03. 11(Thu) 18: 17 |

3月15日(月)

われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)
(2004/08/06)
アイザック・アシモフ
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ロボット工学の三大原則が冒頭に載っている本。幾つかの短編を、ロボットの発展の歴史に携ってきたロボ心理学者スーザン・キャルヴィンの回顧によって、時系列的に叙述する形になっている。SFであり、またミステリ要素を含む作品である。
ロボットがとる人間にとって不可解な行動・故障と思われるような行動が、実際はロボット三原則に基づいており、全てがそこに集約されていく話の筋立ては見事である。全編がロボット三原則に貫かれており、その解釈に基づきロボットは思考し行動するけれども、その行動の解釈をめぐって人々が右往左往し、なんとかそれを解明していく過程は論理的であり、SFでありながら妙にリアリスティックでもある。
個人的にパウエルとドノヴァンのドタバタがおもしろい。ロボットのワケの分からない行動の原因を突き止めた後には、なんとかしてそれを止めさせて困難な状況を打破せねばならぬと奮闘する様が見ものである。

| 本・漫画 | CM 0│ 2010. 03. 15(Mon) 16: 36 |

3月26日(金)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
(2007/05/18)
福岡 伸一
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1週間くらい前に読んだ本。すごくおもしろい。生物学(者)の歴史と著者の研究や自伝なんかが織り合わさって書かれている様な感じ。専門的な語が出てきても素通りしたから実際はさっぱり理解できてなかったりする。少し前に話題になっていた本だが、「今話題の新書を定価で買う」という行為に気が引けたのでそのときは買わなかった。そんで此間ブックオフ行ったら100円だったのでつい買ってしまったのである。
Amazonに大量のレビューがついている。
印象深いのはエイブリーの肺炎双球菌のお話。高校の生物の内容だが、こういう風に説明されてたらそりゃもういろいろ違ってたろうなと思う。高校生は読んだらいいと思うよ。

どうでもいい話だけど、なんで身体中の分子が入れ替わるのに人格的同一性は保たれたままなんですかね。絶えず食物を摂取したり排泄したりしてるわけだから分子は入れ替わっているんですよということに別段不思議な感じはしないわけですが、じゃーなんで思考や記憶は消滅したり変化したりしないんですかということです。

| 本・漫画 | CM 0│ 2010. 03. 26(Fri) 19: 22 |

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