5月29日(金)

J-CASTニュース : 「殺人でもこんなに重くない」 識者も驚く福岡ひき逃げ高裁判決
量刑の基準を知らないし事実関係も分からないもんだから、これが妥当な判決なのかは判断しかねるが、「殺人でもこんなに重くない」ってどうゆうことなんだろうと思った。殺人罪に当らない原因において自由な行為であったり行為が故意未満の意思に基づいたものであったりすれば、どれほど大規模な被害を惹起しても一般的な(?)殺人における平均的な量刑よりも常に軽くあるべきだと考えてよいのでしょうか。
それともこの個別的事案における判決が一般的な殺人による量刑よりも重くなると判断できなかったからそう言ったのでしょうか。あるいは危険運転致死傷罪が適用された際の量刑は殺人の量刑を上回るべきではないと考えているのか。どんな風に運用されるかは判例の積み重ねで形成されるのでしょうか。例えば「この罪が適用された際の相場は2~3年」みたいな風潮が何年もかけて出来上がる、みたいな。

非常に頭の軽い文を書いています。ですが、司法関係者がおっしゃる「違和感」ですとか「厳しい」といった発言が、どういった理由に基づいて発せられているのかが気になるのです。それは当然「厳罰化の流れ」がある、「結論ありきの判決」だとおっしゃられればそうなのでしょうが、それでは意味がありません。問題提起にすらならないのです。彼らが驚き我々が当然だと言い、おそらく互いの理解も深めようとせず、結局は社会通念という名目の下に厳罰化へと向かうでしょう。
「識者も驚く」は「識者しか驚かない」と言い換え可能ではないでしょうか。「殺人でもこんなに重くない」とはいえ、殺人罪適用時の量刑を知る人間はどのくらいいるでしょうか。この罪は殺人罪よりも重くすべきでない根拠はなんなのでしょうか。いつ誰が示してくださったでしょうか。

裁判員制度最高ウハウハと申すつもりはありませんし、むしろこれは両者の溝を広げるように思っとりますが、両者の認識の乖離を示す制度としては目を見張るものがあります。一般の方々が裁判のプロセスに参画することは決定的に重要でないと考えています。特別な訓練を受けた人々の内部に一般人を無造作に放り込んでも、殆ど弊害しか生じないでしょう。
じゃあどうすればよいのかと言うと、どこでも言われるように外部からのプロセス可視化とアクセスの超容易さが大切だと思うわけですが、裁判所がオープンになったからと言って市民の意識が劇的に変わるなど有り得ません。
いっちばん大事なのは「何で刑法のこの罪の量刑は1年以下なの?」とかそういった超基本的な事項、だけど決定的に難しい事項に関するお話だと思うのです。例えが量刑の妥当性とはいえ、これは罪の個別的な事件への適用の話をするのでなくて法律の定め方の範疇の話を深めるっつうことです。我々が司法関係者と意識が乖離しまくっているのは、法律に対する根本的な解釈若しくは理解が完全に相違しているからだと思います。法(哲学)教育はガキの頃からされるべきです。法は最低限の道徳とみなされますから公教育にも馴染むでしょう。国語や道徳の授業のように訳分からん解釈を一方的に押し付けられることもあるだろうが、少なくともそれらより論理性を要求されるものでもあります。そもそも法を最低限の道徳の実現とみなす限り、市民が法文を知ることは言うまでもなく法の根拠を知ることが人間社会にとって強く要請されるところのものではないでしょうか。
その結果に刑法の各規定への疑義ないし禁固や懲役よりも労役義務や賠償義務の拡大と言ったより合理的な被害者救済を尊重する仕組が一般から提出されたり、民事になりますが日本国に大きく委ねられた司法の枠組を縮小し国家のみが権利を保護する役割を持ちうるという意識が緩和されるのを期待したりするんですが、んなうまく行くわけないですよね。しかし脱線しすぎ。とりあえず法律が法律家の独占するものである限りこの手の齟齬は永遠に解消されないと思います。

| 雑記 | CM 0│ 2009. 05. 30(Sat) 01: 40 |

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